ブログ「青空リポート」充実の東京2日間

教育

◆ブログ「青空リポート」・充実の東京2日間◆

2024年12月5日

―力の限り走った! シュートだ!―

―インカレ女子バスケ 大声援背に奮闘―

<11月末の東京出張報告>

11月29、30日の2日間、東京に出張してきました。29日は第76回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)に昨年に引き続き出場を果たした女子バスケットボール部の応援でした。翌30日は本学園と連携協定を結んでいる実践女子学園さんの「特別ホームカミングデー」に招かれ、「新潟県情報」をお届けするためでした。2日間の様子を報告します。

<強豪校と真正面から激突>

女子バスケは昨年に続いて2年連続のインカレ出場です。全国の大学で女子バスケ部は300以上ある中で、インカレ出場枠は40だけ。まさに「狭き門」なのです。その晴れ舞台で昨年は延長戦の末に見事初勝利を挙げているだけに、今年も期待が高まります。

グループステージは29日が名古屋学院大、12月3日は聖カタリナ大との対戦です。中でも初戦の名古屋学院大は強豪校が揃っている東海地区を2位で勝ち上がっており、青陵バスケの「全国的な位置」を確認するには絶好のカードです。

写真(左)=試合前の練習ではシュートが次々と決まっていました

(右)=選手に指示を出す大谷大監督

新潟からは選手たちのご家族ら大勢が駆け付けてくれて、練習の時から「ガンバレー青陵!」の声援が響きます。しかし、コートで相手チームを見ると、俗にいう「がたいがいい」、体格の良い選手がそろっています。一方、我が青陵チームは登録メンバー18人のうち17人が県内高校の出身者。「これは、持ち前のまとまりの良さと粘りで頑張ってもらうしかない」と、試合前から緊張が高まります。

<序盤の善戦も、後半力尽く>

いよいよ試合が始まりました。相手は序盤から3ポイントシュートを放ち、リバウンドも高さを活かして〝制空権〟を握ります。かたや青陵は走力・スピードで対抗し、ディフェンスも頑張ります。序盤は一進一退。手に汗を握る攻防が続きます。背番号8番の司令塔・多田好里選手がコートを縦横に駆け回り、4番の北原祐月主将は守備でも相手選手に食らいつきます。第1クオーターは11―16と粘り、さらに第2クオーターは17―21と4点差で踏ん張りました。

写真(左)=第2クオーターまでは一進一退(右)=選手に指示を出す大谷大監督

「これは、ひょっとすると後半の粘りで大逆転も…」との期待が膨らんだのですが、相手チームはハーフタイムの練習時から3ポイントシュートがビシビシと入り出し、嫌な予感が襲ってきます。第3クオーターから名古屋学院大はエンジン全開。3ポイントを次々と決め、青陵は防戦一方に。不利な体勢からシュートを打たざるを得ないような展開に追い込まれ、リバウンドを次々と奪わられます。終わってみれば43―82の得点差となってしまいました。

しかし、得点差がついても青陵応援団の声援は止むことがなく、「行け行け青陵!押せ押せSEIRYO!」の掛け声が代々木第二体育館にコダマしていました。応援合戦〝圧勝〟の理由を聞くと、「バスケのプロがついているから」だそうです。新潟県内の高校バスケ指導者たちが、「自らが育てた選手が青陵大に進んでの活躍を、この目で確認するために」駆け付け、応援してくれていたのです。これも新潟県勢で固めたスクラムの強さの表れであることを実感しました。

写真=青陵の応援団。応援合戦は圧勝でした

<涙のフィナーレ>

第2戦は3日に八王子で行われ、私は残念ながら観戦できなかったのですが、聖カタリナ大(四国1位)に69―73で惜敗したとの報告を受けました。「フリースローが不調で11本のうち3本しか入らなかった」と監督の大谷大さんから敗因を聞きました。「今年のチームは身長が低い選手が多く、インカレでは体格的に見劣りするが、それをカバーする粘り強さ、ひたむきさがあった。ディフェンスでも頑張るし、チームワークはどこにも負けないチームでした」と大谷監督。2年連続のインカレ出場は大きな自信となったようで、大谷監督は「昨年の初出場で〝やればできる〟ことが分かり、2年連続出場は青陵バスケの伝統をつくった。これからインカレで勝ち切れるチームをつくっていきます」と、前を向いて語ってくれました。

写真=聖カタリナ大と接戦を繰り広げる青陵大

國谷洋・学園役員補佐の学内メール報告にもあったように、第2戦でも「青陵応援団の力は群を抜いていた」そうです。県内の高校バスケ指導者の数もさらに増え、青陵アルムナイと一体となっての大声援。また、青陵の「粘り強いプレイと、ひたむきなチームカラー」が観客に好感を持たれたのか、最後は会場の大半が青陵に声援を送ってくれたそうです。選手の頑張りに感謝です。

試合が終わった後は、おそらくこれが大学生活で最後の試合となる4年生を中心に選手たちが抱き合い、そこにご家族も加わって「抱擁と涙の感激的なシーンとなった」(國谷補佐)そうです。

写真=激闘を終え、笑顔の青陵女子バスケ選手団

<来年以降が楽しみ>

今年は登録メンバー18人のうち4年生は4人だけ。逆に1年生が7人おり、来年度も高校で活躍した有望選手が加わる予定です。青陵はほぼ地元勢だけで2年連続のインカレという全国の晴れ舞台で活躍してくれました。「青陵女子バスケ」の名を新潟から全国に広げてくれた選手たち、そして大谷監督ら指導スタッフの皆さん、ご家族をはじめ応援に駆けつけてくれた方々、すべての関係者に感謝します。ありがとうございました!

―テーマは「新潟」 食も話題も―

―実践女子学園の「特別ホームカミングデー」―

<深い青陵学園との縁>

翌30日には本学園と〝創始者の縁〟で結ばれている実践女子学園さんの「特別ホームカミングデー」に参加しました。実践女子学園の設立者は明治時代、「女子教育の第一人者」と呼ばれた下田歌子先生です。下田歌子先生は本学園の設立にも深く関わられ、「青陵学園の創始者」でもあります。「この縁をさらに大切にしていこう」と実践女子学園さんからのありがたい申し出をいただき、昨年度、両学園は包括連携協定を結びました。

今年度が実践女子さんの創立125周年という記念年に当たることから「特別ホームカミングデー」の位置づけにされ、大変ありがたいことに式典やレセプションのテーマを「にいがた」としていただきました。「にいがた効果」があったのか?渋谷キャンパスには当初予測を大幅に上回る500人の卒業生らが参加されたそうです。

<興味深い「新潟県と下田歌子」講演>

写真(左)=冒頭の挨拶を兼ねた木島葉子理事長のミニ講演と、それを聞く大勢の参加者たち

式典では木島葉子理事長が「学園の今について」紹介され、湯浅茂雄・中学校高等学校校長、難波雅紀大学・短期大学部学長から現在の取り組みについて簡潔かつ明快なご報告がありました。

新潟にとって興味深かったのは「実践女子学園・下田歌子記念女性総合研究所」の久保貴子先生によるご講演「新潟県と下田歌子について」でした。下田歌子先生の生い立ちから、1898年に帝国婦人協会を設立し女子教育の普及に尽力される状況や、翌1899年に実践女子学園の前身となる実践女学校・女子工芸学校を設立したこと。次いで全国に女子教育を普及させるため同年夏に信越地方を訪ねられ、その折に新潟市も訪れられ、新潟師範学校での講演には600人が参加。その中に時の知事夫人ら有力者がいて下田講演に感銘を受け、翌1900年に立ち上げた「裁縫伝習所」(同年に女子工芸学校と改名)が青陵学園の源流となったーとのお話を分かりやすく語られました。

写真=久保先生の資料に「新潟」「青陵」が頻繁に登場しました

久保先生の資料には、「ここに新潟女子工芸学校ありき」の石碑や、青陵高校歴代の制服展示コーナーなどの写真も収められており、私にとって新たな発見・気づきも数多く含まれていました。

<来年は本学園が「創立125周年」>

青陵学園の前身が立ち上がったのが1900年ですから、来年は本学園が「創立125周年」を迎えることになります。どんな周年事業をやることにするか―これから詰めていくことにしているだけに、実践女子さんの「特別ホームカミングデー」が大変に参考になりました。中でも久保先生の講演は新潟にとっても貴重なものなので、来年の式典ではぜひ記念講演をお願いしたいと強く感じています。

式典では「にいがたコーナー」が続き、実践女子大の卒業生でもあるブルボン吉田記念財団(柏崎市)の吉田眞理理事が「ドナルド・キーン・センター柏崎」について館長の立場でお話しされました。次いで私も新潟県の情報紹介として「新潟県の食と酒」をテーマにお話しする機会を与えていただきました。

写真=新潟市の食と酒について紹介する篠田

<レセプションには新潟産がズラリ>

式典終了後はお楽しみのレセプションです。ここでも主役は「にいがた」でした。ブルボンさんのお菓子やゆかりのエチゴビール。また、蔵元提供の越後の銘酒「越乃寒梅」が目を引きます。さらに銀座にある「新潟情報館THE NIIGATA」で仕込まれたおにぎりや笹団子などがズラリと並びました。オードブルはTHE NIIGATAに出店している「Bit」が用意したもので、そのオーナーシェフは秋山武士さん。わが青陵高校の卒業生です。

写真=パーティーには大勢の方が参加されました

ここまで新潟にこだわっていただけるとは考えていなかったので、実践女子さんの「徹底した実践」に脱帽の思いでした。お陰で500人のテーブルでも新潟が話題になり、新潟県の食と酒の魅力にも十分に触れていただいたと思います。木島理事長をはじめ今回のホームカミングデーを企画されたメンバーに深く感謝いたします。

写真(左)=パーティーに参加される菅原陽心・青陵短大学長(右側)と木島葉子実践女子学園理事長。齋藤智・社会連携センター長の姿も (右)=テーブルにはズラリと新潟の産品が並びました

来年の青陵学園での創立125周年では、ここまでの企画・実践はできないかもしれませんが、青陵の「創始者・下田歌子先生」のことがより広く、より深く伝わることをメインにしたい―そう考えさせられた実践女子さんのホームカミングデーでした。

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