ブログ青空リポート・子ども食堂

教育

◆ブログ「青空リポート」・そらいろ子ども食堂◆

2024年3月5日

―青陵・県立大と高校、地域が協力

ボランティアが生む〝笑顔の輪〟―

<コロナ禍にも負けず>

以前から気になっていて行ってみたかった「そらいろ子ども食堂」に3月2日、初めて行ってきました。新潟青陵大学と新潟県立大学の学生たちが一緒に運営している「子ども食堂」で、中央区の白新コミュニティハウスが会場です。コロナ禍では5カ月間活動を休止しましたが、2020年8月から食材を月一回提供する方式で再開。昨年12月から月一回、みんなで食事を楽しむ食事提供方式も復活しました。2日は70人近い方が一緒になって、おいしい食事と楽しい時間を共有していました。

写真=「白新コミュニティハウス」に掲げられた「そらいろ子ども食堂」の旗(左)と、玄関に置かれた案内看板

<2016年にスタート>

そらいろ子ども食堂は青陵大と県立大学の学生ボランティアが中心となって、2016年10月に開設されました。活動の輪は地域にも広まり、近くの県立新潟中央高校家庭クラブ、フードバンク新潟、新潟市歯科医師会、ろうきんや地域のコミ協・自治会などが協力しています。活動を再開した今年度はFM新潟の「NAMARA MIX」に出演したほか、市社協が主催する「新潟市子ども食堂ネットワーク研修会」にパネリストとして参加したり、保育園などへの出張子ども食堂を実施したり、精力的に活動し、青陵大学のメンバーは今年度の学生表彰(団体の部)も受けています。

<メンバーが役割分担>

 

この日は午後5時半からの会食スタートに先立ち、関係者が早くから準備に入っていたようで、調理室のホワイトボードには、今日のメニューなど準備手順が書き出されていました。この日は年度末なのか、ひなまつりのためか、メイン料理は近くの「ピーア軒」さんのビーフシチューやグラタンなど。ちょうど私が到着した時、ご主人自らが運転して料理を運んでいるところでした。

写真(左)=調理室のホワイトボードに書き出されたレシピなど 

(右)=食事会場の多目的室には今日のメニューが紹介されていました

副菜は「ひなまつりポテトサラダ」と「ほうれんそうとコーンのツナナムル」の2品でレシピが書き込まれ、ほかに買い物リストなども共有されていて、既に準備は整っている様子。あとは配膳の仕上げ作業の最中でした。

写真(左)=ボランティアの方による配膳作業 (右)=盛り付けられつつある今日のご馳走

青陵からは、先日の学生表彰で代表として表彰状を受けた堀口梨月奈さんら5人とアドバイザーの藤瀬竜子教授、県立大からは3人、ほかに中央高校家庭部、地域のボランティアたちが加わり、受付から子どもたちの世話、配膳と役割を分担して精力的に動いていました。5時過ぎになると家族連れが次々と顔を出し、賑やかになります。市歯科医師会からは岡田匠・前会長も顔を出してくれました。子ども食堂で時々、歯の健康教室を開いているそうで、「ここで学生さんと馴染みになると、保育園や学校など色々な子育ての現場での共同作業がやりやすくなるんですよ」と話されていました。

写真(左)=参加者の案内をするボランティアの学生 (右)=先月の学内表彰式で表彰を受ける堀口代表

<西区や東区からも参加>

参加者にお話を伺ってみました。お子さん2人とご夫婦で参加されたご家族にお聞きすると、「西区から来ました。ここは今回で3度目。子どもたちが楽しみにしているし、大勢で食事ができるのはいいですね」とお父さんが笑顔で語ってくれました。中央区以外に県立大学のある東区からの参加者も多いそうで、県立大の学生さんは「みんな喜んでくれるので、こちらも励みになります。青陵の方たちと共同作業ができて、友達になれるのも嬉しい」と語っていました。青陵大の堀口さんは「コロナ禍が収まって、食事が提供できるようになって良かった。子ども食堂は色々な方と知り合いになれて楽しい。今、3年生なので、もう1年頑張りたいです」と笑顔で話してくれました。この日の参加者は51人。うち未就学児が15人だったそうです。また運営に当たったボランティアや関係者ら16人も一緒に食事を楽しみました。

写真=楽しい食事会の準備をする学生ボランティアたち。いよいよ楽しい食事会が始まります

<子ども食堂は「みんなの食堂」>

「子ども食堂」と言うと、以前は「貧困家庭が対象」のイメージがありましたが、今はだいぶ実態が変わっています。全国に「子ども食堂」を広めた一人で認定NPO法人「全国こども食堂支援センターむすびえ理事長の湯浅誠さんと3年前に話をする機会があって、私が「子ども食堂というと、『対象は貧困家庭』とのイメージがつきまとう。『みんなの食堂』にネーミングを変えたらどうか」と提案すると、湯浅さんは「当初は『貧困家庭の救済』の目的意識が強かったが、普及してくるにつれて対象も大きく広がってきた。実態は『みんなの食堂』になっていますね」と苦笑しながら語ってくれたことを思い出します。

写真=お年寄りと子どもたちが一緒に遊ぶ「実家の茶の間・紫竹」の様子

新潟市では「地域の茶の間」活動も盛んで、ここでもお昼などを出しているところが少なくありません。地域包括ケア推進モデルハウス「実家の茶の間・紫竹」では、運営日が祭日に重なったり、春休みなど学校が休みの時だったりすると、お昼をお年寄りと子どもたちが一緒に食べている姿が見られます。「世代を超えて、大勢で食卓を囲む」―そんな風景を新潟でもっと広げたいですね。

そらいろ子ども食堂の運営に頑張ってくれている学生たちに拍手を送ります。

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