ブログ「青空リポート」サンカルロス大と協定締結

教育

◆ブログ「青空リポート」サンカルロス大と協定締結◆

2023年9月11日

―フィリピン屈指の総合大学と連携―

―セブ島・英語圏の可能性引き出す―

<エステパ神父・学長と協定書に調印>

今月7日から3日間、フィリピンのセブ島にあるサンカルロス大学を訪問、本学園との交流連携協定を締結しました。調印式は8日に同大で開かれ、エステパ神父・学長と共に協定書に調印しました。今後は①看護・ヘルスケアを中心とした学術交流②学生相互の派遣・交流③英語・日本語の相互学習交流④観光・フードに関わる交流⑤ダンスなどの文化交流―これらを中心に交流の実を挙げていきます。

写真=サンカルロス大学の本部キャンパス。歴史を感じさせる佇まいです

<国際交流の拠点へ、本格準備>

青陵学園は今年度策定した「青陵将来ビジョン」で、2040年の学園の姿を「世界と新潟をつなぐ、イノベーション(社会変革)のスクエア(広場)となる」と規定しており、今回の協定締結はわが学園の国際交流の扉を新たに開くものです。8月には木村哲夫・常務理事・大学学長が交流協定を締結済みの韓国・コットンネ大学を訪問。コロナ禍収束後の交流再開について協議してきました。今後、本格的に国際交流を再開・展開できるよう、学園の将来ビジョン推進・改革の具体的流れに「国際交流・留学生センター設置準備チーム」を加えていきます。

<新潟フィリピン協会が仲介の労>

写真(左)=サンカルロスの学園歴史年表を見る中村次長とアロッソ会長 (右)=キャンパス内では始業前の祈りが捧げられていました

今回、協定を締結したサンカルロス大学はフィリピンでも屈指の総合大学で、セブ島では群を抜く評価を得ており、日本では九州大学、山形大学が交流協定を締結しています。16世紀末にスペインの宣教師が開設した学び舎が学園の源流で、セブの中心市街地に近いメインキャンパスは歴史を感じる佇まいでした。サンカルロスは学園として保育・幼稚園から小・中・高校を有し、大学はいくつかのキャンパスに分かれて10以上の学部を展開しています。これに比べて本学園はかなり小粒ですが、看護・心理系の学部を持ち、食・ツーリズムなどのコースがある短期大学部にも関心を持ってもらいました。今回の訪問に同道し、通訳もこなしてくれた中村芳郎・学園事務局統括次長らがリモート会議などを積み重ね、協定書について詰め、今回の協定締結に至りました。

協定の端緒を開いてくれたのは新潟フィリピン協会のアロッソ会長でした。新潟を拠点に多方面で活動するアロッソさんはサンカルロス大学の出身で、同学園職員だった経歴も持っています。今回の訪問にも同行いただいたのですが、サンカルロスの教職員とはほとんど顔なじみのようで、大変に頼りになるキーマンであることを現地で確認しました。本学園としては看護・心理や食・観光などに共通の土台があることに加え、①英語圏に立地し英語学習に適していること②時差が1時間と小さく、往来もしやすいこと③若者に人気のセブ島に位置していることーなどが協定に至った主な理由になります。とは言え、やはり大きいのは新潟フィリピン協会とアロッソ会長の存在でした。今後、学生たちを派遣、あるいは受け入れる際、新潟とセブ島をつなぐ架け橋があることは大きな強みです。同協会は新潟―セブ間にチャーター便を計画中で、その延長線上に定期便就航の夢を描いています。セブ島は日本の若者らに人気のリゾート地でもあり、直行便があれば交流は飛躍的にやりやすくなります。

写真(左)=セブの市街地。超高層マンションと昔の街並みが混在しています (右)=セブ空港の様子

<チビユニティもセブ島に拠点>

もう一つ、サンカルロスとの交流に踏み切った理由があります。本学園と6月に連携協定を結んだ「Dance Presentation Unity」(ユニティ)の活動拠点がセブ島にあることです。ユニティ総合代表の国友慎之助さんが率いるダンスチーム「チビユニティ」は今月、全米で人気のTVオーディション番組「アメリカズゴットタレント」の準決勝に出場することで話題を呼んでいますが、セブ島にもメンバーを常駐させています。「若者同士がダンス文化でも交流していく」ことは、サンカルロス大学との連携協定の柱の一つになると期待しており、今回、国友さんも同行してくれました。

<以前からダンス文化の縁>

私たちがサンカルロス大のキャンパスを訪れると、一人の女性が駆け寄ってきました。この方はニンファ・アロ女史。6年ほど前、新潟市での「アートミックス・ジャパン」にセブ島舞踊団が招かれた際、団を率いて新潟市を訪問。当時、市長だった私をアロッソさんと共に表敬にきてくれた方でした。長くサンカルロスの学園運営に関わり、アロッサさんが生徒・学生の風紀・生活指導を担当していた時の上司だったそうです。青陵学園との提携も後押しをしてくれており、今回の調印式の立会人の一人でした。以前からダンス・文化交流で新潟市とセブ島はつながっていたわけで、今後の交流を考える時、大変に頼りになる存在と思います。

写真(左)=調印式を前に気合を入れる青陵チーム。右端が国友慎之助さんです (右)アロ女史も調印式を見守ってくれました

<厳粛だった調印式>

いよいよ交流協定の調印式です。ミッション系大学だけに式は神への祈りの歌(讃美歌)から始まり、フィリピンと日本の国歌が流されます。次いで、エステパ神父・学長から青陵学園との交流の期待が語られました。「日本に新たな交流相手が誕生して大変に嬉しい。共に看護の道を学ぶ者同士の交流をはじめ、語学交流・ダンスなどの文化交流がセブ島と新潟で盛んになることを大変に楽しみにしている」旨の挨拶がありました。

写真=調印のサインを終え、協定書を一緒に掲げるエステパ神父・学長(左)と私

私の方からは、学園の規模を超えて今回、サンカルロス大が青陵との交流に踏み切ってくれたことへの謝意と、その仲介の労を取ってくれたアロ女史、アロッソさんへの感謝を申し上げました。また、新潟市と本学園について簡単に触れた後、「新潟から多くの若者らをセブ島・サンカルロス大学に送り、多くのことを学んでいきたいし、サンカルロスからも大勢の学生たちに新潟に来てもらい、共に学び合いたい」旨を申し上げました。新潟フィリピン協会やダンス文化関係者の存在が大きな後押しになる期待も申し上げ、国友さんを紹介しました。双方の挨拶の後、協定文が改めて読み上げられ、双方が交流の意義を確認しました。

写真=調印を終え、記念品の交換。新潟からは凧。サンカルロスからは万年筆セットです

<ダンス交流もスタート>

写真(左)=サンカルロス大ダンス部によるウエルカムダンス (右)=クロージングのペアダンス。近くで見守った国友さんが拍手です

ダンス交流はセブ側も強く期待しているようで、調印式ではサンカルロス大ダンス部によるウエルカムダンスが披露され、式は協定締結を祝うクロージングダンスで締めくくられました。

写真=調印式が終わり、クロージングダンスを披露してくれたサンカルロス大ダンス部も入って記念撮影

セブでもチビユニティの活躍はYouTubeなどで広く知られており、その指導者の国友さんと会えることにサンカルロス大ダンス部のメンバーは興奮を隠せない様子でした。クロージングダンスの際は、踊りをすぐ脇で見ての講評を依頼され、ダンスが終わった後は記念の撮影を次々と求められていました。ダンス交流の可能性を実感すると共に、厳粛なうちにも心の通った温かい調印式であったことに感謝しています。

<ヘルスケアセンターなどを訪問>

写真(左)=丘の中腹に位置するヘルスケアセンターの建物 (右)=看護学部の入り口に立つリー・センター長(右)と国友さん

調印式の後、本部キャンパスを離れ小高い丘に向かいます。通称「マウンテン・キャンパス」には山麓から頂き付近まで、いくつかの学部建物が点在しており、坂道を登って看護学部のあるヘルスケアセンターに到着。ジェラード・リー・センター長らと意見交換しました。リー・センター長は埼玉医大で学んだ方で、まだ33歳の若さ。日本のことをよく知っているせいか、青陵との交流に大きな関心を寄せていると感じました。ヘルスケアセンターは病院を模した構造になっており、本学園の看護学部同様、学生たちが多様な教室で学んでいました。

写真(左)=病室を模した実習室での授業 (右)=リー・センター長(右)と看護学部の責任者

また、午後は本部キャンパスに戻り、現地語であるセブ語と英語を学ぶ語学学部を視察、教職員らと意見交換しました。日本からは既に東洋大や南山大の学生が短・中期の語学研修に来ており、英語を少人数教室で学んでいました。ほかに日本からの留学生も学んでおり、食堂では二人の日本人留学生と話す機会がありました。北海道からの男子留学生は「日本の志望大学の入試に落ちた結果、ここにくることにしましたが、今ではそれが良かったと思う」と言い、滋賀の女子学生は「コロナ禍で留学が遅れ、その間、アルバイトをして学費を貯めてきました」と語っていました。共に明るい表情が印象的でした。

写真=青陵チームと意見交換する言語学部のスタッフたち

今後、早い段階で「国際交流・留学生センター設置準備チーム」を立ち上げ、コロナ禍以前から留学生受け入れ・派遣に力を発揮してくれた方々の力を借りながら、新しい態勢を整えていきます。

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