◆ブログ「青空リポート」・モンゴル点描=学園編◆
2025年9月19日
―創立記念、地域挙げて祝う―
―モンゴル文化、子どもらが披露―
<6日間の旅>
今月6日から11日までモンゴルを訪問してきました。新潟青陵学園と包括連携協定を2023年12月に結んだモンゴルのエルデミーンエフレル学校(以下エフレル学校)の創立5周年記念式典などに出席するためでした。このことについては17日にアップした「理事長室から」でご報告しました。今回の「青空リポート」では、その時に垣間見たモンゴルの表情を2回に分けてスケッチします。まずモンゴルの「学びの場」を中心とする「学園編」です。
<学びの場>
モンゴルは平均年齢が28歳と若い国です。街には子どもたちがあふれ、活気に満ちていました。「この子どもたちをどう育てるかにモンゴルの未来がかかっている」と教育関係者は意欲的でした。そのモンゴルで評価を得ているのが「日本式教育」です。日本の小中高校に当たる12年間、子どもたちを育てる公立学校は施設整備が間に合わず、多くの地域で2部制を取り、中には3部制を採用せざるを得ない地域もあるそうです。
写真(左)=エフレル学校に掲示された歓迎の看板 (右)=その脇に青陵との包括連携協定の写真も飾られていました
そんな中で「日本式教育」を売りにしている私立学校は、富裕層や教育を大切にする層から人気があり、多くの子どもたちを集めていました。本学園の連携校エフレル学校もその一つです。ウランバートルから1300キロほど西北に位置し、交通の便も良いとはいえないエフレル学校は創立5年で学力・進学実績などでモンゴル優良校の中に割って入り、9月からの新年度にはウランバートルからエフレル学校に進学のため移り住む生徒も出てきたそうです。
写真(左)=エフレル学校の教室。子どもたちが歓迎してくれました (右)=エフレル学校のシンボルマーク。このマークもこどもたちの心を一つにする大事なツールです
<多彩な人脈、短期間で前進>
エフレル学校が短期間で大きな前進を果たした理由の一つに学校の創設者・理事長であるバヤンサン・バーサンジャブさんの人柄と多彩な人脈があるように感じました。その中でも同級生たちとの絆が強いようです。
9月8日、5年前にはできなかった開校式には同級生をはじめ地域の名士ら多くの人が参加しました。同級生の代表格がモンゴル相撲の横綱でアマ相撲の世界チャンピオンにもなったバトゥソーリさんです。埼玉で新聞配達をしながら日本語を学んだそうで、私たちにも気さくに話しかけてくれました。ただ、プライドはやはり強いようで、私が「もし日本で大相撲に進んだらどうなっていましたか」と聞くと、「大相撲?やっぱりチャンピオンだね」と当然のように話していました。開校式にはマスコミも取材に来ており、私もテレビのインタビューを受けました。地域にとってもエフレル学校への期待は大きいようです。
写真(左)=開校式のテープカット。バヤンサン理事長の右が同級生のモンゴル相撲チャンピオン。左端も同級生です (右)=開校式の後、地元マスコミのインタビューに答える筆者
<学校・行政関係者と意見交換>
写真=オランゴム市の公立学校。大きな建物に見えますが、生徒増に整備が追い付かないそうです
限られた日程でしたが、式典の翌日、オブス県庁を訪ね、副知事らと懇談しました。ここでも日本への強い期待を感じました。次いでオランゴム市にある公立専門学校(カレッジ)を視察。開校100年を迎えたそうで、地域に人材を送る重要な役割を果たしているようです。63ものコースがあるとのこと。人材育成は地方にとっての生命線のようで、韓国の学園と提携していて韓国人の先生も来ていました。日本、韓国とのパイプは太く、モンゴルは「環日本海地域」の中でも独自のポジションを有しているようです。
写真=オブス県庁で副知事(左から3人目)らと懇談後の記念撮影
写真(左)=公立カレッジの教室を視察
今回は限られた日程だったのですが、オランゴム市にある公立カレッジを視察すると共に、オブス県庁を訪ね副知事らと意見交換する機会も得ました。モンゴルでも地理的に恵まれていないことを自覚していらっしゃるのか、海外との関係強化に熱心で、特に日本・韓国とのパイプづくりには力を注いでいる印象を受けました。
―公立カレッジ―
写真(右)=公立カレッジの普通教室 (左)=縫製教室では韓国人教師が活躍していました
<式典とお祝い>
9月8日は開校式の後、場所をシティホールに変えて創立5周年の記念式典も行われました。そこには地域の名士たちが集まり、地域挙げての祝祭となりました。そして夜はホテルでの盛大な祝賀会です。その様子を写真で紹介します。
―開校式―
写真=開校式で馬頭琴を披露する生徒(左)と、合唱する生徒たち(右)
―創立記念式典―
写真(左)=創立記念式典でモンゴルの踊りを生徒たちが披露 (右)=こちらはモンゴルの伝統楽器の演奏です
写真=同じく式典での生徒の挨拶と演技
写真(左)=同じく式典で先生たちが歌声を (右)=プロ歌手も登場しモンゴル歌謡を歌い上げました
写真=創立式典もフィナーレに。プロ歌手トリオの熱唱に生徒たちも総立ちでした
―祝賀会―
写真(左)=式典の後の祝賀会でバヤンサン理事長から功労者に記念品が贈られました (右)=青陵学園からは三条の六角凧を贈呈しました
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