ブログ「青空リポート」・高校の全日制改革 本格始動

教育

◆ブログ「青空リポート」・高校の全日制改革 本格始動◆

―ヒューマニティスクールへ挑戦―

―「体験を重視し、主体的に学ぶ」―

2024年5月24日

<青陵ホールで発表会>

新潟青陵高校では2026年度に通信制を併置する方針で準備を進めていますが、同時に全日制改革についても学校挙げて取り組んでいます。こちらは来年度からの改革を目指して全教員が7つのワーキンググループに分かれて多様な角度から検討を加えていますが、5月21日に青陵学園の全教職員を対象とした発表会を開きました。私から見ても意欲的な改革案で、まさに「青陵高校は変わります!」との宣言を裏打ちしたものでした。発表会の概要を報告します。

写真=青陵高校の全日制改革の方向性がパワーポイントで示されました

<「変わることを恐れず」>

発表会ではまず石井充校長が「青陵高校は大きく変わろうという意志を明確にし、通信制の併置に向けて取り組んでいるが、全日制の改革も全教員が7つのワーキンググループに分かれて具体方向を検討してきた。来年度に向けて方向が明確になってきたので川端副校長からの説明をお聞き取り願いたい」と挨拶。川端弘実副校長は「青陵高校の校訓である『至誠』を体現できるよう『ヒューマニティスクール』に向けて歩み出したい。大きな方向は学園が目指すものと同じく『社会課題解決力の育成』で、『自走』する生徒を『伴走』する教員が育み、生徒のやる気を引き出しサポートする『エンカレッジ・スクール化』を実現していきたい」と基本方向を説明しました。

写真(左)=開会に当たり挨拶する石井充校長 (右)=改革の方向性を説明する川端弘実副校長

改革の基本姿勢としては「変わることを恐れず、リスクがあってもやり切る」こととし、そのためには「一人ひとりの意識改革、内部の意識改革が何より重要」とパワーポイントで説明しました。「教育課程の方向性」については「社会課題解決力の育成」を柱とし、より具体的には「分かる・できる・つながる力を育む授業・活動」を展開。①問いと振り返りのある授業・活動②魅力ある探究・行事・活動③協働的な学習・活動―を行うことで、「一芸に秀でたスペシャリストを育む」ことを目指します。また、体験を重視し、「実際の社会で生きる力、活躍できる力」を育成していくことも目指す方向です。

<青陵の強みを活かす>

改革チームは、他校との差別化を図る意味でも「青陵の強み」あるいは「強みになりうること」を検討。3つの特性を見出し、伸ばすこととしました。1つは青陵高校にはスクールカウンセラーはもとよりスクールソーシャルワーカー(SSW)や特別支援教育専門員らが配置されている上、青陵学園の臨床心理センターと既に連携し、「一人ひとりの個性・特性に応じた親身できめ細やかな支援・サポートが行われている」ことです。2点目は「chrome bookを活用したICTスキルの土台」があり、今後、通信制併置に向けてさらにICTを活用したポータブルスキルの育成を図りながら「主体的な学びを大切にする学習」を伸ばしていくことです。さらに3点目として「青陵米プロジェクト」などの探求型テーマ研修やボランティアなど主体的な生徒活動の実績を活かし、生涯学習型の部活動やSDGsを教育活動を積極的に導入することなどで「魅力ある充実した教育活動を行う」ことです。

写真(左)=5月20日に開かれた県大会への部活動壮行会 (右)昨年行われた海岸清掃活動。青陵高校では様々な活動が行われている

これらの基盤を活かし、「体験とグローカル探究」に力を入れ、学園として目指す「青陵ソーシャルイノベーション(SSI)探究」の力を伸ばしていくことで、他校とは違う「ヒューマニティスクール~普通科」へと改革していくことがこれからの青陵高校の目指す方向です。

<3つの魅力あるコースを設定>

写真=「ヒューマニティスクール」へ、改革の方向性を示す図

この構想のもとに青陵高校では来年度から3つの魅力あるコースを設定します。1つは「エンパワメント(EP)コース」です。看護・医療・心理・福祉・保育・幼児教育・スポーツ科学・栄養学など「人のサポート」にかかわる進路を選択しようとする人材を育成するコースで、進路の多くは青陵大学・短期大学部で実現できるものです。2つ目は「キャリアデザイン(CD)コース」です。進路設計がまだ漠然としている生徒たちに、地域探究や創造活動など様々な体験を通して自己の特性や強みを自覚してもらい、進学や就職の方向を特定してもらうものです。3点目は「キャリアアドバンス(CA)コース」です。大学進学を明確な目的としている生徒に対し、一人ひとりの興味・関心・進路希望に応じて個別最適な支援を行います。国際交流も体験してもらい、世界に雄飛する若者も育てます。

<「学園の総力」を結集>

この3つのコースはいずれも探究・体験・創造が土台となっており、「ゲストティーチャーなどの地域資源」を徹底活用すると共に、青陵学園が持つ臨床心理・ボランティア・社会連携・キャリアといった各センターや来年度に発足予定のソーシャルイノベーションセンターなどの青陵のリソースをフル活用して、効果を最大化していきます。目指す方向は「学園の総力の結集」です。

青陵高校では改革を遂行するため、前述した3つのコースを具体化するワーキンググループに加え、「探求」「特別活動・行事」「UDL(学びのユニバーサルデザイン)」「部活動改革」と、合わせて7つのワーキンググループを発足させ「全員参加」で改革を前進させます。

写真(左)=改革発表会を聞く学園関係者たち (右)=「全日制改革」に全学園の協力を呼び掛けるパワーポイント

川端副校長は「2025年度を青陵高校の『改革元年』としていきます。高校のヒューマニティスクールへの挑戦を成功させるには学園全体、学園の全教職員のお力が必要です。どうか改革の趣旨を理解され、お一人お一人から力を貸していただきたい」と述べ、説明を締めくくりました。その後、この日参加したワーキンググループリーダーが壇上に上がり、一言ずつ挨拶しました。参加した教職員からは盛大な拍手が起き、改革への賛同の意志を示してくれました。

写真=発表会の最後に各コース担当の教員も登壇し、思いを語った

青陵高校の改革は、青陵学園の改革の中核であり、理事長としても今回の改革方向を全面的に支持します。これを契機に短大・高校の「26年度通信制併置」も含め、改革の遂行に全力を挙げていきますのでご支援をお願いします。

写真=昨年行われた「チャレンジウオーク」の様子。新潟青陵高校は前進を続けます

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