ブログ「青空リポート」心ひとつ「感謝の集い」

教育

◆ブログ「青空リポート」・心ひとつ「感謝の集い」◆

2025年11月5日

―「実学」の旗掲げ125年、7万人が巣立つ―

―「青陵の誓い」新た そして未来へ!―

<地域と共に125年>

本学園は創立125周年を迎え、11月3日に「新潟青陵学園 感謝の集い~地域と共に125年、未来へつなぐ」を開きました。同窓生や教職員OB、学園関係者ら150人ほどが集まり、学園が125年歩んでこられたことに感謝し、学園の役割をこれからも果たしていくことへの決意を新たにしました。

本学園からは7万人以上が巣立ち、社会に貢献し、地域の暮らしを支えてきたと自負しています。ここまで歩んで来ることができたのも、地域の皆さまをはじめ、これまで学園を支えていただいたすべての方々のお陰と深く感謝しております。これからも地域と共に青陵は未来に向かって進んでまいります。ありがとうございました!今後もよろしくお願いいたします。

写真=学園内に展示コーナーが設けられ、工芸学校から現在の青陵高校まで、歴代の制服が展示されました

<「裁縫講習所」が学園の源流>

125周年を迎えるに当たり、改めて青陵学園の歩みを振り返ってみました。本学園の源流は1900年(明治33年)に設立された「裁縫講習所」に端を発します。その前年、明治の女性教育者として知られ、歌人としても名高かった下田歌子先生が新潟市を訪ねられたことが始まりでした。戦前の女性教育家というと今や5千円札に肖像が使われている津田梅子先生を想起する方も多いと思いますが、下田先生は津田先生の先輩格で学習院女子部の創設にも携わるなどの著名人でした。

写真=下田歌子先生を取り上げた書籍です

下田先生は女子教育の普及を目指して「帝国婦人協会」を立ち上げ、自らも「帝国婦人協会付属実践女学校・女子工芸学校」(現在の実践女子学園=東京都)を同年、開設されました。下田先生は「日本全国に女子教育の場を広げよう」との使命感から長野県・新潟県を巡遊し、地域の女性リーダーたちに「女子の学び場」をつくることの重要性を説いて回りました。

新潟市では当時の知事夫人らがこの呼び掛けに敏感に反応。翌年、裁縫講習所を新潟市西堀に立ち上げたのでした。講習所は同年、「新潟女子工芸学校」と改称されました。これが戦後の学制改革で「新潟女子工芸高等学校」と替り、1965年(昭和40年)新潟青陵女子高等学校となって現在の新潟青陵学園につながっていくのです。

<建学の精神を噛みしめながら>

下田先生が大切にされたのは「実学」でした。実学とは「地域課題を解決するなどして、暮らしを豊かにする学問」と私は理解していますが、下田先生は「知識を単に学ぶだけでなく、実際に活用することを重視する」と仰っています。このことを受けて本学園の建学の精神は「日進の学理を応用し、勉めて現今の社会に適応すべき実学を教授する」としております。

また、越後には江戸時代から実学を重視する気風があり、「読み書き算盤」を教える「寺子屋」が広く普及しており、江戸にも知られた「長善館」や「三余堂」といった庶民の学び舎がありました。この「越後の実学DNA」が下田先生の呼び掛けに呼応したのではないか、と思えるほど、新潟の女性リーダーたちの反応は素早かったのです。私たちは未来に向かって進んでいく時も、この「建学の精神」を大切にしていこうと改めて肝に銘じた次第です。

<実践女子大の「下田歌子研究者」が講演>

 

写真(左)=司会は青陵短大卒業のフリーアナウンサー・大杉りささんが務めてくれました (右)=青陵学園の歩みについて説明する篠田

青陵ホールで開いた「第1部・式典」では、私が理事長として開会の挨拶を述べ、「建学の精神に基づきこれから進んでいく」学園の方向性について、「新潟青陵学園125周年 そして未来へ!」と題してお話しさせていただきました。

続いて式典のメインとも言うべき講演です。実践女子大学「下田歌子記念女性総合研究所」の久保貴子専任研究員・准教授から「下田歌子先生の理念と功績~志を今につなぐ~」とのタイトルでお話しいただきました。青陵学園の事実上の創始者・下田歌子先生の女子教育にかける情熱に触れることができる素晴らしいご講演でした。

写真(左)=講演される久保専任研究員 (右)は久保さんの作成した資料の1ページです

<新潟新聞「詰めかける聴衆たち」>

下田先生の新潟でのご講演の様子は当時の新潟新聞などでも大きく取り上げられ、「下田女史は我国婦人教育の情況を説き、今日の時勢を観察して大いに女子教育の振起すべき所以を詳論して降壇」(原文)などと記したそうです。新潟師範学校の講演には600人、新発田では1700人、柏崎では1000人の聴衆が詰めかけるほどの大盛況だったことも報じられています。

下田歌子先生の縁で本学園は実践女子学園さんと包括連携協定を結び、「姉妹学園」のようにお付き合いさせていただいているのもありがたいことです。この日も実践さんから木島葉子理事長をはじめ6人がお越しいただきました。感謝に堪えません。

<懇親会はなごやかに>

「第2部・懇親会」は、なごやかな雰囲気で開かれました。木島理事長からご挨拶の後、乾杯のご発声をいただき、懇親の宴が始まりました。まずはこれまで、学園に各方面からご貢献いただいた方・団体への感謝状の贈呈です。高校・短大・大学の同窓会の方々、学園にご寄付をいただいた方、感謝の集いにご協力いただいた企業・団体に贈らせていただきました。

写真(左)=第2部冒頭で挨拶をされる実践女子学園の木島理事長 (右)=感謝状を受けて会釈される関昭一元理事長夫人・妙子様

写真(左)=学園歌の演奏と合唱 (右)=右端でフルートを吹くのは短期大学部の菅原学長です

写真(左)=高校の校歌を演奏する吹奏楽部。指揮をとる江部先生が歌も披露しています (右)=高校生が懇親会を盛り上げてくれました

次いでお楽しみのアトラクションです。大学・短大のウインドアンサンブルと合唱団による学園歌の演奏と歌唱、高校吹奏楽部の伴奏による校歌斉唱、記念演奏、高校ダンス部の演舞など、にぎやかに125周年を祝いました。最後はお楽しみ抽選会です。これも青陵アルムナイ(同窓・仲間)の皆さんからご寄贈いただいた多くの品々を景品として、大いに盛り上がりました。

写真=第2部の懇親会はみんなリラックスして楽しんでいただきました

写真(左)=元気いっぱいの高校ダンス部。指導の神田先生も踊ってくれました (右)=ダンスの最後には125周年の彩を‥

楽しい雰囲気の中、青陵ファミリーが心を一つにし、未来に向かって進んでいく気持ちを固めた集いにしていただきました。参加された皆さま、運営に頑張っていただいた方、協力されたすべての方々に感謝いたします。ありがとうございます。

写真(左)=お楽しみ抽選会。理事長として最後のくじを引きました (右)=展示コーナーには各種資料が並んでいました

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