ブログ青空リポート・アルムナイ新春トーク

まちづくり

◆ブログ「青空リポート」・アルムナイ新春トーク◆

―日本酒でつなぐ「地域愛」

蔵元・酒販・女将が熱く語る―

<アルムナイ・イベント第2弾>

2月1日に「アルムナイ・イベント」の第2弾となる新春トークショーが青陵ホールで開かれました。「アルムナイ」とは元来、「同窓生」「卒業生」の意味ですが、近年は同じ会社で働いた縁を再雇用や企業活動に活かすなどの「企業用語」としても使われています。青陵では幼稚園から高校・短大・大学などの卒業生・ご家族はもとより、教職員・そのOBや本学と連携協定を結んだ企業・団体などを「青陵アルムナイ」と位置づけ、それぞれの可能性を伸ばすネットワークをつくることで「青陵アルムナイの絆」の強化を図っています。

<酒米づくりから酒造りまで挑戦>

昨秋に「食」をテーマに第1回のトークイベントを開催し、カレー研究家の一条もんこさん(本学短大卒業生)らOBたちが熱い議論を繰り広げました。2回目の今回のテーマは「日本酒でつなぐ『地域愛』」です。本学園短大の卒業生で〝日本酒通〟で知られる村山和恵・青陵短大人間総合学部助教がコーディネーター、酒販会社・蔵元・日本酒バー女将(本学・短大卒業生)がパネリストとなって、日本酒を核にした「地域愛」と「イノベーティブな活動」について話し合いました。会場には学生ら60人ほどが参加、〝熱燗の地域愛〟を味わいました。このトークショーをキックオフにして、アルムナイの希望者は1年間、酒米づくりから酒造り、できたお酒の試飲を楽しみます。

写真(左)=コーディネーターの村山さん (右)=パネリストの面々。左から熊倉部長、大井専務、岡本取締役、上村女将

<それぞれの自己紹介>

トークショーは、まずパネリストの自己紹介から始まりました。トップバッターは新潟酒販の熊倉章・特販部長で、熊倉さんは新潟酒販に入って43年目。「新潟日報カルチャースクール」で「にいがた 酒のはなし」を担当しています。2番手は弥彦酒造(弥彦村)の大井源一郎専務。東区の出身で在籍企業の命を受け25年前、蔵元に〝パラシュート降下〟された方です。3人目の方も異業種から弥彦酒造での酒造りに加わった岡本裕美取締役部長。こちらは23年目。「酒造技能士」の資格を持ち、「地域密着」に努めているそうです。4人目は上村桃代さん。ん年前に青陵短大を卒業し、古町で新潟の日本酒だけを扱っているバーの女将となり13年目です。

<パートⅠは「地域愛」について>

いよいよ本題です。村山コーディネーターから「本日のお題」が示されました。1つ目のテーマは「地域愛」、2つ目が日本酒に関わる「イノベーティブな活動」についてです。大井専務が口火を切ります。「うちの酒蔵でつくる『弥彦愛国』は瓶とキャップ以外はすべて弥彦産。テロワール(「土地」を意味するフランス語。ワインなどにその土地特有の性格を与える)とドメーヌ(同じくフランス語で「区画」などの意。ワインでは自らブドウの栽培―醸造―熟成―瓶詰めまでを行うこと)にこだわり、酵母も弥彦のサクラを使っている」とのことで、一般の方も参加できる収穫祭には地元の上泉集落の方が「そば打ちなどでもてなしてくれる」そうです。収穫祭に参加してきた上村女将は「毎年参加して、みんなから〝桃ちゃん〟と呼ばれています。上泉の方が作ってくれるお握りやお蕎麦がおいしくて、毎年楽しみです」と語りました。熊倉部長は「地元の素材を使っていくことは素晴らしい。お酒のつくり方はマネできるが、地域の味はマネができませんから」と話されました。

写真=パワーポイントに映された稲刈りのシーン。中央が上村さん

<「地域愛がどんどん深まる」>

村山コーディネーターが「熊倉さんのトーク企画は全国から注目されている。お酒は人と人をつなぐ、まさに〝つなぎ役〟ですね」と言うと、大井専務が「いやいや、村山さんも酒蔵のことをホントよく知っている。有名人ですよ」とフォローし、トークは次第に〝熱燗ムード〟に。上村さんは「なぜ、地元の日本酒だけのバーを開いたのか?」の問いに、「例えば九州では地元の焼酎を堂々と扱っている。新潟でも地酒でやれるんじゃないか―そう思って始めました。当時は地酒の知識がなんにもなかったので、弥彦酒造さんや色んな酒蔵さんで見たり聞いたりした。そうすると、県外の方にも酒蔵さんの思いを話せるようになって、どんどん地域愛が深まりました」と言いいます。村山コーディネーターが「お酒を通して、地域や文化が見えてくるんですね」と総括して「地域愛」コーナーを締めくくりました。

<パートⅡは「イノベーティブな活動」>

次いで話題は「イノベーティブな活動」へ。岡本取締役と大井専務が弥彦酒造の法被をまとってステージ中央に。岡本さんが「これはコートメールといってハンドメイドの1点もの。(テニスの)大坂なおみさんとかも身に付けている。この法被はデニム地で、裏は紬。10枚で〝ハアーっ!〟というくらいの値段ですが、弥彦酒造のシンボルでしょうか」と言えば、大井さんが「アクセサリーも手づくり。酒瓶の王冠を使ったバッヂもね」と続けました。村山コーディネーターは「日本酒とファッション、遠いと思っていたモノ同士がくっ付いて、新たな魅力となるんですね」と解説。

写真=特性の法被を着て登場した岡本さん(右)と大井さん

熊倉さんは阿賀野市の白龍酒造がヤスダヨーグルトとのコラボで売り出した「ヨーグルトリキュール モウモウ」や、弥彦酒造のメイン銘柄「越乃白雪」など県内の「白」が付く酒蔵の酒をブレンドした「コシノロクハク」など、イノベーティブな酒商品を紹介。村山コーディネーターが「これまで新潟酒販と弥彦酒造がJALメンバーなどと組んで、女性だけで造り上げた日本酒〝レディー酒プロジェクト〟をやってきましたが、今年は1年かけて青陵アルムナイがお酒づくりに挑戦しますよ」と宣言。岡本さんが「皆さんと一緒に私も作業します。酒づくりはデリケートなので、女性の皆さんも化粧とか香水とか女性らしいものは一切ご法度。スッピンで作業してもらいます」と言うと、上村女将が「自らが酒づくりに携わることで、特別なお酒になります。ちょっとしたきっかけで日本酒を好きになってください!」と締めくくりました。

 

写真(左)=トークが終了し締めの挨拶をする木村常務理事  

(右)=パネリストを含め青陵アルムナイのメンバーで記念撮影

私もただ、日本酒をガバガバと飲んでばかりいるのではなく、今年は酒づくりにも汗を流そうと思った新春トークでした。これからも「青陵アルムナイ」の輪を広げる活動を続けていきますので、よろしくお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました