ブログ「青空リポート」・キャンパス点描

まちづくり

◆ブログ「青空リポート」・キャンパス点描◆

2024年7月8日

―深まる連携、広がる交流―

6月から7月にかけて、新潟青陵学園のキャンパスが賑わっています。地元高校との連携協定締結や地域の方との協働による「月見草プロジェクト」の盛り上げ、さらに韓国の姉妹校であるコットンネ大学からは学生ら訪問団がやってきました。さらに拉致問題をはじめとする北朝鮮の人権問題に関する映画が青陵ホールで上映されるなど、多彩な取り組みが繰り広げられています。青陵学園のキャンパス近況について報告します。

<新津高校と連携協定>

多様な教育機関・団体と連携を強めている新潟青陵学園に新たな仲間が加わりました。6月25日、青陵大学・同短期大学部と県立新津高校が連携協定を締結。高校の「総合的な探究の時間」などに青陵の教員たちが生徒の探求心向上などを支援し、生徒たちには合わせて大学教育への理解を深めてもらう新たな取り組みがスタートしました。

写真(左)=調印を前に挨拶される小林英明校長 (右)=調印する様子

25日には新津高校の小林英明校長らが本学園を訪れ、木村哲夫・青陵大学長、菅原陽心・青陵短大学長と協定書に調印しました。協定締結に当たり木村学長は「高校生が興味を持った分野について積極的に意見交換し、高校生が青陵大学への理解を深めていただくことを期待している。成果の上がる連携にしていきたい」と挨拶。菅原短大学長は「短大では企業と連携し、学生が企業のことをよく知る機会を増やしているが、それを拡充して高校生の探求の充実にもつなげていきたい」などと話しました。それを受けて小林校長からは「大学・短大での教育や進路について高校生の時から学ぶことで、目的意識を持った生徒の主体的な学びに結び付けていきたい」と語っていただきました。

写真=調印書を持つ(左から)木村学長、小林校長、菅原短大学長

青陵学園の先生たちが地元の高校生の学びや育ちを支援し、それが地元での人材育成に結びつくよう、「実のある連携」に育てていきます。

<韓国コットンネ大学から訪問団>

7月2日には韓国・コットンネ大学から学生や教職員から成る十数人の代表団が青陵学園を訪問、新潟での様々な体験学習をスタートさせました。コットンネ大学はソウルから南へ車で2時間弱の清州市にある大学で、青陵大学と2010年に学術・学生交流を柱とする提携関係を結んでいます。コロナ禍でこの4年ほどは交流がままならない状況でしたが、今年度から本格交流が復活しました。

2日は歓迎会が青陵学園キャンパスで開かれ、私も理事長として歓迎の挨拶をしました。私はまだコットンネ大学には行ったことがないのですが、2015年に新潟市が「東アジア文化都市」の日本代表都市に選ばれた時、韓国は清州市、中国は青島市がパートナー都市だった関係があります。私も2015年に新潟市長として清州市を訪問したので、学生たちにはその時の思い出をお話ししました。

写真(左)=歓迎の挨拶をする木村哲夫・青陵大学長 (右)=コットンネ大の訪問団メンバー 

清州市は豚バラ肉を焼いて野菜に包んで食べるサムギョプサルの本場で、まちを訪れた方には「サムギョプサルで焼酎一杯いかがでしょうか」と言って歓迎する習慣があります。私も美味しいサムギョプサルとお酒をいただきました。

また、清州市にはユネスコの「世界記録遺産」に登録されている世界最古の金属活字本があることでも知られる文化創造都市でもあります。「食と農の文化創造都市」を標榜する新潟市とは格好のパートナー都市です。

写真=青陵キャンパスで記念撮影

コットンネ大の学生たちには「新潟も食文化の都市なので、ぜひ新潟の食を堪能してほしい」とお話しました。青陵とコットンネの縁をより深くしていきます。

<月見草の会賑やかに>

そして7月5日には青陵学園が地域の方たちと協力して育てている月見草(オオマツヨイグサ)をテーマに、音楽文化などを楽しむ「月見草の会」がキャンパス内で開かれました。月見草は以前、青陵学園が位置する西海岸に数多く咲いていたのですが、環境の変化で減ってしまったものを新潟日報社の社長夫人だった小柳マサさん(故人)が「月見草を育てる会」を組織して復活させてくれました。青陵学園も小柳さんと一緒に復活に努めてきました。青陵学園では毎年、月見草の素晴らしさを伝えながら楽しむ「月見草の会」を開いていたのですが、これもコロナ禍で中断。昨年、久しぶりに復活した経緯があります。

写真(左)=月見草の置かれた会場 (右)=学園のウインドアンサンブルの演奏

この日は、いつもお世話になっている地元の自治会「旭水会」の皆さんや近くにある中国総領事館の方々、さらに青陵学園と連携している団体の方にもご参加いただき、月見草を愛でながら青陵学園の音楽サークルが奏でるメロディーや短大幼児教育学科の学生らの歌声を楽しみました。今年はここにコットンネ大の訪問団からも参加いただき、学園文化を大いに楽しんでいただきました。

写真(左)=短大幼児教育学科の学生たちの合唱 (右)=菅原短大学長がフルートの素晴らしい音色を披露

青陵学園では今後も地域の方たちと一緒に、学園周辺の松林や海岸の美化に努め、月見草などの花々を育てていきます。

写真(左)=教職員らによるウクレレ演奏 (右)=コットンネ大学の訪問団からも参加いただきました

<日韓フォーラムの上映会場に>

韓国コットンネ大学との交流を復活させたばかりの青陵学園で7日、北朝鮮の人権問題を啓発する「新ボトナム会」が主催する「日韓合同フォーラム」の活動の一環として、映画の上映会が開かれました。新潟と北朝鮮の関係では、当時、新潟市立寄居中学校1年生だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された事件を決して忘れることができません。青陵学園はめぐみさんが拉致された現場からも近いため、上映会場に選ばれました。

新潟は、めぐみさんが拉致された悲劇の現場であると共に、朝鮮半島出身の方らが新潟港から北朝鮮に渡る「帰還事業」(韓国では「北送」と言う)の基地でもありました。1959年から多くの方が「地上の楽園」と宣伝されていた北朝鮮に渡った事業で、その中には多くの日本人妻も含まれます。

上映会に先立ち6日には新潟市で「日韓合同フォーラム」が開かれ、新潟港から北朝鮮に渡り、その後、命がけで「脱北」した川崎栄子さんらが「在日北送65周年」をテーマにした講演などが行われました。川崎さんらは「新潟港から北朝鮮に行った方々全員から新潟港に戻ってもらう必要がある」と強く訴えていました。

写真=6日にクロスパルで開かれた「日韓合同フォーラム」

そして7日には「会いたい人との再開が叶う七夕行事」との位置づけで、様々な行事が新潟で行われました。川崎さんらは横田めぐみさんが通っていた寄居中学校から拉致された現場を訪ねたり、新潟港・中央ふ頭で献花したりした後、上映会に臨みました。

写真=青陵ホールで開かれた上映会

上映された映画は「延坪海戦」。2002年の日韓W杯サッカー開催中に北朝鮮の哨戒艦から韓国の哨戒艦への発砲を機に激しい銃撃・砲撃戦が行われ、両軍に多数の死傷者を出した「第2延坪海戦」をテーマにしたものです。この戦闘で韓国軍では6人が戦死、19人が負傷しました。上映会には「延坪海戦」で夫を亡くした方も参加され、生々しく当時の様子を語ってくれました。

写真=上映会の後、戦死者の妻が想いを語ってくれました

横田めぐみさん事件など拉致被害は未解決のままであり、新潟港から北朝鮮に渡った方々の人権も踏みにじられたままの状況があることを一時も忘れてはならないーそんな思いに駆られた「七夕行事」となりました。

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